養生について

下記のコラムは「第53回日本伝統鍼灸学会学術大会」にて
広島大学漢方研究室 客員准教授の「宮川 浩也」先生が、ご講演された内容を参考に、
当院で作成したものです。
本来の内容は、我々治療家に対しての「心得」をご教授されたものですが、患者さんに対しても、
日々の健康を維持する上で、とても参考になるのでは?と思い、そのエッセンスをピックアップしてみました。

「甘いもの断ってるのに、全然痩せないよな~」とか、そんな方いらっしゃいませんか?
以下が、そんな患者さんへの手助けになればと思います。

養生(ようじょう)の秘訣は「がんばりすぎない」こと

当院に通われる患者さんの多くは、日々のお仕事や家事に一生懸命で、
ご自身の体のことを後回しにしてしまいがちな、とても真面目な方たちが多いようです。
「早く良くならなきゃ」と、健康のために食事を制限したり、運動を無理に始めたり、逆に微動だにせず、
一所懸命「安静」を頑張る(?)方もいらっしゃいます。
しかし、東洋医学の知恵によれば、実は「健康のためにあれこれ頑張りすぎる」こと自体が、かえって心身のストレス(雑念)となり、治りを遅くしてしまうという発想があります。

古来より、健康を維持し、病気を予防するための生活習慣や行動の事を「養生」と言います。
伝統的な鍼灸の世界では、この「養生」には大きく分けて「四つのカタチ」があると考えます。

 「養形(ようけい)養生」 :食事やサプリ、運動など、いわゆる一般的な健康法。
 ② 「順天(じゅんてん)養生」:早寝早起きや旬のものを食べるなど、自然のリズムに合わせること。


…ここまではよく知られていますが,実はあとの二つがとても大切です。

 「享楽(きょうらく)養生」:「好きなものを食べ、好きなように過ごして楽しむ」こと。
 ④ 「養心(ようしん)養生 」:「心を穏やかに保ち、自分を責めない」こと。


お酒がやめられなかったり、運動が続かなかったりすると、「自分はダメだなぁ」と
自分を責めてしまうことはないでしょうか。
実は、その「自分を責める心(罪悪感)」こそが、体にとって一番の毒になります。
たまには好きなものを食べ、ゆったりと過ごす。
それもまた「享楽・養心」という立派な養生の一つなのです。
あなたが「楽しい、心地よい」と感じる時、体は最もリラックスし、自然治癒力が最大限に発揮されます。
完璧主義を少しだけお休みして、「これくらいで、ちょうどいい」と自分を許してあげてください。
私たちが柔整・鍼灸師がお手伝いするのは、その「和やかな心と体」が、本来持っている力を引き出すことでもあります。

まずは今日一日、少しだけ「心に余白」を作ってみましょうか?


今後とも、よろしくお願いいたします。